痛みって邪魔なもの? もし痛みを感じなくなったらどうなる?

- update更新日 : 2024年11月22日
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いたみわすれ整体師の山川翔一です。

あなたは、「痛みは実は大切なものである」ということをご存知でしょうか?

一般的に、痛みは「嫌なもの」「邪魔なもの」「ない方が良いもの」と思われています。

それはそうですよね。

誰だって痛いのは嫌ですし、仕事や家事の邪魔になりますし、できればない方が良いと感じるのは当然のこと。

ですが、少し考えてみて欲しいんです。

もし、その望み通りに痛みを感じることができなくなったら、どうなるでしょうか?

実は、痛みを感じなくなる病気があります。

「無痛症」という疾患です。

神経の異常により、痛みや温度がわからない、もしくはわかりにくくなるというのが主な症状になります。

参考:無痛無汗症ハンドブック(https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1996/h081252.pdf

 

温度はとりあえず置いておいて、「痛みを感じなくなるなんて、もしかして便利な病気なんじゃないか」と思ったでしょうか?

では、この無痛症で痛みを感じない人が、日常生活で想定されることを書いてみましょう。

たとえば、舌を噛んでしまった時に痛みを感じないので、そのまま何度も噛み続けてしまうかもしれません。

通常であれば、舌を噛んで口内炎になり、痛みが出ていれば、噛む時に同じ場所を噛まないように慎重になるはずです。

ですが、痛みを感じなければ、慎重になる以前に、噛んだことにも気づかない可能性があります。

傷口が塞がる前に何度も噛んでしまえば、そこから細菌が入って感染症になってしまう危険性も。

他にも、痛みを感じなければ骨折や脱臼も多くなる可能性があります。

あなたは、手首や肘をどこまで伸ばすことができるでしょうか?

手首であれば90度前後、肘は真っ直ぐよりほんの少し伸ばせるくらいだと思います。

ではなぜ、そこで止まってしまうのですか?

無理をすれば、限界を越えれば、もう少し伸ばせるのではないでしょうか?

そうです。

痛みがあるから、そこで関節の動きを止めるんです。

「これ以上関節を動かすと、正常な範囲の動きを超えて壊れちゃうよ!」という体からの危険信号が、痛みになって現れているんです。

なので、無痛症で痛みを感じない人は、関節を限界以上に伸ばしてしまって、関節が外れたり(=脱臼)、骨折が多くなってしまうと言われています。

もちろん、無痛症なので脱臼や骨折をしても痛みは感じないかもしれませんが、限界を超えた関節の動きで筋肉も引きちぎられ、体が思うように動かなくなってしまう危険性もあります。

ここまでは動きの話でしたので、次は見た目ではわからない例を挙げましょう。

たとえば、虫歯。

虫歯って痛いですよね。

痛いから、「もしかして虫歯かも?」と思うことができて、歯医者に行くという選択肢が生まれるわけです。

では、痛みを感じなければ?

虫歯ができていても、歯医者に行くことをせず、放置してしまうかもしれません。

虫歯を長時間放置すると、最終的には歯茎の根元まで虫歯菌が侵入して出血や膿が出るようになります。

もちろん歯は抜けていき、口から膿の悪臭が漂うようになります。

虫歯菌は口の中にとどまらず、歯茎の血管から全身に周り、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞につながり、死亡リスクが高まります。

命に関わる状態になってしまうんです。

参考:ザ・ホワイトデンタルクリニック(https://www.biyou-dental.com/about/cavity/post-07.php#:~:text=%E8%84%B3%E6%A2%97%E5%A1%9E%EF%BC%9A%20%E3%82%80%E3%81%97%E6%AD%AF%E8%8F%8C%E3%81%8C,%E3%81%84%E3%82%8B%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

それもこれも、痛みを感じないせいで虫歯に気づかずに、長時間放置してしまったから。

ここまで「もし痛みを感じなかったら」という仮定として、実際に痛みを感じなくなる無痛症を例に挙げて解説してきました。

どうでしょう?

ここまで読んでも、「やっぱり痛みは感じない方が良い!」「痛覚なんて邪魔だ!」と思うでしょうか?

思わないですよね。

痛覚は、「何か体に異常が起きてるよ! 放置すると大変なことになるよ!」という、体からの警報なんです。

私はよく、痛覚のことを火災報知器に例えます。

建物で火災報知器が作動した時、もちろん誤作動の可能性もありますが、まずは火事が起きたと想定して行動します。

完全に火が上がっているかもしれませんし、まだボヤかもしれません。

この時、「火災報知器がうるさいから、電源を落としてしまおう!」と考えるでしょうか?

(実際に火災報知器だけの電源を落とすことが可能かわかりませんが)もし落とせた場合、警報は止まります。

では、「警報が止まったからもうこれで大丈夫♪」とは……なりませんよね😇

無理やり警報を止めただけで、火の元は確認できていません。

むしろ、ボヤだったものがのんびりしているうちに本格的に燃え広がって、建物が全焼してしまうかもしれません。

警報が鳴った以上、火の元を確認し、誤作動であればそれでよし、火が上がっているのであれば消化活動に移らなければいけません。

これは体の痛覚も同じです。

痛みが出ているということは、何かしらの異常が出ているという警報なんです。

痛みの理由が明白であれば自分で処置できるかもしれませんし、よくわからなければ専門家に診てもらう(=消化活動)必要があります。

これが火の元の確認です。

もしここで「痛いけどそのうち収まるだろう=警報の無視」を続けたら?

「痛み止めを飲めば痛くなくなるから、飲み続ければ大丈夫=火災報知器の電源オフ」を続けたら?

大変なことになってしまうかもしれません……。

そんなことにならないように、痛みで悩んでいる方は手遅れにならないうちに専門家に相談してください。

まずは整形外科でも良いですし、近くの治療院でも良いです。

そしてもし、

・病院でも痛みの原因がわからなかった……
・手術しかないと言われたけど、手術はしたくない……
・手術したのに、まだ痛みが残っている……
・何件も治療院に通っているのに、なかなか良くならない……
・もう痛み止めはやめにしたい……

という場合は、ぜひ当院にご相談ください。

どこに行っても良くならなかった痛みや難治症状を得意としていますので、お力になれると思います☀️