健康保険が使えるかの判断方法と、健康保険のメリット・デメリット

このページでは、健康保険適用が可能な治療院の判断方法や、健康保険を使った施術のメリット・デメリットをお伝えします。

その治療院で健康保険が使えるか簡単に判断する方法

健康保険が使える治療院は、必ず国家資格を保有している必要があります。

この場合、該当する国家資格は次の4種類です。

・柔道整復師
・はり師
・きゅう師
・あんまマッサージ指圧師

治療院名に「整骨院」「接骨院」「鍼灸院」「マッサージ」と名前がついていれば、上記の国家資格を保有した施術者が在籍しているので、健康保険が使える可能性があります。

しかし、国家資格を保有しているからといって、無条件で保険が使えるわけではありません。

実は、各資格において健康保険を使うためには国が定めている条件があります。

 

整骨院・接骨院で健康保険を使う条件

整骨院・接骨院で健康保険を使いたい場合、次の2つの条件を満たしている必要があります。

①患者様の症状が次のうちどれかに該当すること
・骨折
・脱臼
・打撲
・捻挫
・挫傷(肉離れ)

②急性外傷(ケガ)であること

つまり、整骨院・接骨院で健康保険を使いたい場合、何らかのケガによって骨折や脱臼、打撲、捻挫、肉離れが起きている場合に限られます。

慢性的な肩こりや腰痛では健康保険を使うことができないんです。

もし、慢性の肩こりや腰痛で保険を使っている整骨院・接骨院があった場合、それは違法行為をしている可能性が高いです。

全国健康保険協会から調査の連絡がきたり、法律違反が判明した場合は後日に差額を請求されることになってしまう可能性があります。

ただし、例えば同じ腰痛であっても、「重い荷物を持ち上げた時にギックリ腰になったばかり」であれば急性外傷、いわゆるケガの範囲になりますので、健康保険を使って施術を受けられる可能性があります。

鍼灸院で健康保険を使う条件

鍼灸院で健康保険を使いたい場合、次の2つの条件を満たしている必要があります。

①患者様の症状が次のうちのどれかに該当すること
・神経痛
・リウマチ
・五十肩
・頚腕症候群
・頚椎捻挫後遺症
・腰痛症

②医師の同意書があること

つまり、鍼灸院で健康保険を使いたい場合、まず病院を受診していただき、

医師が上記①の症状があると判断し、かつ病院では適切な治療手段がなく、はり・きゅうであれば改善が見込めると医師が同意書を作成した場合に限られます。

かなり厳しい条件であることがわかりますね。

マッサージで健康保険を使う条件

マッサージで健康保険を使いたい場合、次の2つの条件を満たしている必要があります。

①筋肉の麻痺、もしくは関節の拘縮があること

②医師の同意書があること

つまり、マッサージで健康保険を使いたい場合、まず病院を受診していただき、

医師が上記①の症状があると判断し、かつその症状を改善するためにマッサージが必要であると医師が同意書を作成した場合に限られます。

これもかなり厳しい条件であることがわかります。

参考:全国健康保険協会

健康保険を使った施術のメリット・デメリット

健康保険を使った施術のメリットは、ずばり「安いこと」です。

これは誰でも嬉しい明確なメリットですよね。

次にデメリットについてご説明します。

「健康保険を使った施術にデメリットがあるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はあるんです。

それは「患者様一人一人に寄り添った、丁寧なオーダーメイドの施術がほぼ不可能であること」です。

健康保険を使って施術を行う場合、施術料金が固定されます。

患者様にとって施術料金が安いということは、治療院側としては売り上げが少ないということ。

例えば、3割負担の健康保険を使って整骨院で施術を受けて、500円の支払いだったとします。

3割で500円なので、実際の整骨院の売り上げは約1666円となります。

もし、すべての施術を健康保険で行った場合、患者様お一人を施術すると整骨院側は1666円の売り上げになるということ。

たくさんの人数を施術しないと売り上げが少なくなるので、どうしてもお一人お一人に使うことができる時間が減ってしまうんです。

その結果、

  • 実際の施術時間のうち直接触ってくれるのは15分だけで、残りは電気治療をセットしたら別の患者さんのところに行ってしまった……
  • いつも流れ作業のような簡素な施術しかしてくれない……
  • 問診に時間を使ってくれないので、体の悪いところ、しんどいところを伝えられない……

ということが起きてしまいます。

これが健康保険を使った施術のデメリットです。

もし、あなたのお悩みがちょっとした肩こりや腰痛など、(語弊があるかもしれませんが)比較的軽症なものであれば、15分軽く揉みほぐしてくれるだけでも良くなるかもしれません。

しかし、ご説明したように慢性的な肩こりや腰痛には、そもそも健康保険が使えないんです。

比較的重症な患者様にしか健康保険が使えないのに、保険を使った施術ではお一人に使える時間が少なすぎる症状改善が難しかったり、時間がかかってしまう。

バランスが難しい問題なんです。

 

なお、当院では健康保険を使った施術は行なっていません。

理由は、お一人お一人にしっかり時間をかけてカウンセリング検査を行って、痛みや症状の原因を的確に把握したいから。

そして、把握した原因に対して直接アプローチすることによって、着実に改善していただきたいから。

健康保険を使った短時間の流れ作業的な施術ではできない、丁寧なオーダーメイドの施術であなたの長年のお悩みを改善に導きます。