減塩の罠
いたみわすれ整体師の山川翔一です。
高血圧が万病の元と言われるようになって久しいですね。
高血圧の原因と聞くと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
やはり、食塩でしょうか?
実は、この「食塩が高血圧の原因」というのは、半分本当で、半分嘘なんです。
と言うのも、高血圧の原因(のひとつ)は「塩化ナトリウム」さらに言えば「ナトリウム」であり、食塩そのものではないのです。
一般的に売られている安い食塩、例えば5kgで数百円のものは、塩化ナトリウム99%以上のものです。
このような高純度の塩化ナトリウムを摂取し続ければ、高血圧になることも十分考えられます。
しかし、少しお高い塩の成分表を見てみると、意外なことが分かります。
例えば、我が家でよく使う塩である「粟国の塩」は、100g当たりの塩化ナトリウムが71.7g、つまり純度でいえば71.7%ということになります。
純度99%と比べると、だいぶ薄いんです。
これは製法の違いによるものです。
一般的な安い塩は、ほぼ全て「イオン交換膜法」という製法で作られています。
細かい仕組みは割愛しますが、特徴としては、本来海水に多様に含まれていたミネラルから、塩化ナトリウムだけを抽出する製法です。
海水にはもともとナトリウムやカリウム、カルシウムやマグネシウムなど、多種多様なミネラルが含まれていますが、その中から塩化ナトリウムだけを抽出して、その他を捨ててしまうのです。
(捨てられたミネラルは、にがりとして再利用されます)
一方で、「平釜」や「天日」という製法は、時間や手間はかかるものの、海水中のミネラルをほぼそのまま残した塩が出来上がります。
なので、ちょっと高めの塩の成分表を見ると、ナトリウムだけでなく、カリウムやカルシウム、マグネシウムなど多種多様なミネラルも含まれていることが分かります。
このような「自然海塩」と呼ばれる塩は、高血圧になりにくいだけでなく、たくさんのミネラルが複雑に組み合わさって、料理をよりおいしくしてくれます。
安い塩は舐めても塩辛いだけですが、自然海塩は舐めると塩辛さの中に甘みや苦みを感じることができます。
それではなぜ、自然海塩は高血圧になりにくいのか?
生化学的にみると、「塩化ナトリウム」は血圧を上げますが、「カリウム」は血圧を下げる働きがあります。
自然海塩にはこのカリウムも含まれていますので、血圧が上がりにくいのです。
まとめると、イオン交換膜法で作られた塩は血圧が上がりやすく、イオン交換膜法以外で作られた塩、例えば平釜や天日で作られた自然海塩は、血圧が上がりにくいだけでなく、料理をよりおいしくしてくれるということです。
塩を買う時は、製造方法に「イオン交換膜法」と書いていないもの、そして成分表のカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを見て「ナトリウム」以外のミネラルを多く含んでいるものを選ぶと良いですよ!
最近は減塩ブームで、塩分を控えている方がたくさんいます。
しかし一方で、減塩によって体内のナトリウムが不足し、体調を崩す方が多くなってきている印象も受けます。
私たちの細胞は、細胞の中にカリウムがたくさん存在し、細胞の外にナトリウムがたくさん存在します。
太古の昔、生物の祖先である単細胞生物は、海に細胞が浮かんでいる状態でした。
細胞の内側には大量のカリウムが、細胞の外には大量のナトリウム(海水)があったのです。
哺乳類という複雑な体の仕組みを獲得した私たちも、細胞単位で見ると、海水=ナトリウムを多く含んだ体液に細胞が浮いているという、昔の祖先と変わらない構造をしているということ。
このナトリウムとカリウムの電位差が発生させる電気信号で、体は動いているのです。
ナトリウムが不足してしまうと、電気信号が正常に伝達されず、気力の衰え、だるさ、筋力低下、立ちくらみ、めまい、吐き気、しびれ、冷え性、下痢、便秘など様々な症状が出てくる可能性があります。
無理に減塩を行ってしまうと、体内のナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、体調を崩してしまいかねません。
ナトリウムだけでなく、カリウムも一緒に摂取すれば、血圧が上がることはありません。
これを機に、とりあえず安い塩を大量買いするのではなく、自然海塩を料理に使ってみてはどうでしょう?
血圧が上がりにくいだけでなく、料理もよりおいしくなって一石二鳥ですよ☀️
ご精読いただき、ありがとうございます。
感謝いたします。
自然治癒メディカルサロン 隠れ家整体院 穂むら
いたみわすれ整体師 山川翔一